ミル打ちリングの制作
ご注文いただいたマリッジリングの制作風景です。
普段の制作ではなかなか手を止めて写真を撮ったりしないのですが
久しぶりに意識してひと工程ごとに制作過程の写真を撮ってみました。
今回制作したのはミル打ちのリング。
粒が連続した装飾をミル打ちと言います。
工程の画像は上の画像右側のミル打ちが3本入ったメンズリングを中心に撮りました。
ANIKULAPOのリングは地金から鍛造という手法で刻印入れからミル打ち加工、仕上げまで手作業で制作しています。
地金と呼ばれる素材
今回は22金のブラウンゴールドを制作するリング合わせたの寸法に準備
刻印入れ
平らな地金の段階で文字を打ち込みます。
ANIKULAPOではタガネという金属の印を使用して一文字ずつ打刻しています。
シンプルな加工方法ですが機械で彫り込む刻印と違い深く打ち込め、味わいのある雰囲気に仕上がります。
文字入れが済んだ状態
この段階ではかなり深く打刻してありますが
仕上げで削りと磨きを終えると文字が綺麗に仕上がります。
地金をリング状に丸めて端を合わせた状態
この後に合わせ目に糸鋸を引いて接地面を隙間なくぴったりと合わせます。
バーナーを使用してつなぎ目を溶接するロー付けという作業
この工程はリングの強度や仕上がりに影響する大切な作業になります。
ロー付け後に円だしとヤスリで形を整えていき
ヤスリ目を細かくしてシャープな状態まで削り進めていきます。
ミル打ち加工前の線彫り
ミル打ちの大きさに合わせて線を彫り込む彫タガネも使い分けています。
彫り込んだ線に沿ってミル打ち加工
ミル打ち用のミルタガネを使用して一粒ずつ打ち出していきます。
ライン上に粒が一周打ち出された状態。
両サイドにもミル打ちを入れて内側や側面などの仕上げます。
完成したリング。
画像以外にも寸法の調整や磨きなど時間がかかる作業はたくさんありますが、ざっくりとこんな流れでリングが完成します。
画像で見ていくと簡単そう?に見えるかもしれませんが
ひと工程ごとに試作や練習、同じ工程を繰り返しながら知識や経験を積み重ねてきた作業です。
マリッジリング は数十年着用するものです。
良いものを作るために時間をかけて丁寧に制作するように日々心がけています。